お悩み別外来
口唇(くちびる)のほくろ除去
口唇(くちびる)の色素病変は口唇に限局しているものと、隣接する皮膚から連続しているものに分けたいと思います。
というのは口唇に限局している場合、ホクロではなくシミの一種である事があるのです。
これを口唇メラノーシス、英語圏ではlabial lentiginesといいます。
だいぶ前ですが、私はoral labial lentigo の一例というタイトルで皮膚科専門誌に投稿し掲載されています。
治療法も異なります。シミであればQスイッチ・アレキサンドライトレーザーやQスイッチ・ルビーレーザーで除去できますが、ホクロは除去できません。
ダイオードレーザーは両方とも問題ありません。
私の経験上、唇にかかったほくろ除去は一番難しい施術の一つであると考えています。
口唇のほくろ除去 症例
ほくろには色や膨らみが様々で、同じほくろでもこんなに違いがあるのかと驚くケースがあります。
例えば下のケースのように、3個のホクロがありますが、色調、かたち、そして膨らみの程度がそれぞれ違います。
なぜホクロはこのような多様性があるのでしょうか?
ダイオードレーザーによるほくろ除去
価格:88000円
リスク:浮腫、発赤、くぼみ、色素脱出、肥厚性瘢痕等
その答えは、メラニンの色調は深さと量で決まるからなのです。
ケース 1
20代の女性で、小さい頃から認められ、徐々に育ってきたとの事です。
皮膚から唇の赤唇部にかけて、黒褐色の隆起したできものが見られます。
よく見ると隆起部から鼻の方向に、平らに色素斑が延びています。
悪性の有無は重要です。
特殊な拡大鏡であるデルマトスコープを使用して、良性のホクロであることを確認しました。
唇は運動量が激しく、その影響で盛り上がった傷跡や瘢痕になりやすく、赤くなったり、
白く色が抜けてしまう事も良く知られた事実です。
またその周囲も同様で、特に鼻と唇のエリアはなりやすいのです。
このケースを炭酸ガスレーザーで除去するドクターはほとんどいないと思います。
炭酸ガスレーザーは出血しない代わりに、凝固壊死による創傷治癒が遅延、
つまり傷の治りが遅くなるという事実があります。
実は炭酸ガスレーザーによるほくろ除去は難しいのです。特に隆起があるケースは。
麻酔不要、テープ不要のダイオードレーザーでトライしました。
2週間後にボソッとかさぶたが取れ、その2週間後の状態です。
上口唇の上のラインであるCupid bowがキレイに現れ、それを挟んで上下にほくろの組織が残っています。
この時点で、この方は大変満足されていました。
皮膚と唇にまたがったほくろ除去は、このCupid bow(※)のラインをいかにキレイに残すかが、肝なのです。
なおダイオードレーザーでは出血はしません。
残ったほくろに再照射しました。
その2カ月後です。
※Cupid bow とは上口唇(うわくちびる)の山の形です。
ところが予想に反して白く瘢痕収縮してしまい、Cupid bow のラインがたどれなくなってしまったのです。
こうなると、これ以上レーザー治療しても改善を期待できないのではと考えました。
そこである薬の内服が頭に浮かんだのです。
経過を見ていても改善は期待できないと判断しました。
レーザー施術を中止し、内服4カ月後です。
瘢痕は残っていますが何とかCupid bowのラインが復活しています。
その後は来院していません。
治療前後の写真をもう一度見てください。
施術の内容:ダイオードレーザーによりほくろを変性・壊死させる。
リスク:浮腫、発赤、凹み、瘢痕等
料金:49,500円
なんとか満足がいく状態になったと思います。
その他のケースも提示します。
ケース2 NEW!
唇の上にある大きなほくろです。
かなり大きいのでレーザー施術をしないドクターが多いと思います。
必ず瘢痕になるが、それでも良いかと尋ねてからレーザー施術しています。魔法ではありませんから。
この方は、一部に肥厚性瘢痕という皮膚の盛り上がりが出き、2回平らにする注射を打っています。またメラニンの残存が辺縁に起こりやすいようで、レーザー照射を繰り返しています。
その結果、跡にはなっていますが、非常に良い状態を得たと思います。
かなり苦労しましたが、その分私の経験値が広がりました。
最近これより小さい口唇の上のホクロでも、美容外科3軒受診して、3軒ともレーザーでは無理で、手術しかないと言われた方が受診しました。
料金も軒並み20万と言われたそうです。
と言っても、この辺の手術もかなり難易度が高く、瘢痕になりやすいのは周知の事実です。
その方も私はレーザー施術をしました。
レーザーか手術かはそのドクターの経験値によるところが大きいです。
当院では小さいものから大きいものまで、幅広く対応しています。
口唇のほくろ除去は東京 大山皮膚科にお任せください‼️
施術の内容:ダイオードレーザーbr>
価格:55000円
リスク:浮腫、発赤、くぼみ、色素脱出、肥厚性瘢痕等
ケース3
瘢痕になり易いタイプです。黒子の中心部の色調が濃く、ほくろの細胞が深くはいっていることを示しています。
同部からしっかりした毛が何本も見られます。
施術後毛の残存はありますが、口唇のラインも自然で完璧に近い仕上がりです。
施術の内容:ダイオードレーザーによりほくろを変性・壊死させる。
リスク:浮腫、発赤、凹み、瘢痕等
料金:38500円
ケース4
ホクロ本体から右側に浸み出しているように見えます。
悪性のメラノーマの鑑別はしっかりしなければなりません。
ルーチン検査ののデルマトスコープで良性であることを確認。
naturalな仕上がりになりました。
施術の内容:ダイオードレーザーによりほくろを変性・壊死させる。
リスク:浮腫、発赤、凹み、瘢痕等
料金:33000円
ケース5
少し白抜けていますが、まあまあでしょう。
施術の内容:ダイオードレーザーによりほくろを変性・壊死させる。
リスク:浮腫、発赤、凹み、瘢痕等
料金:33,000円
ケース 6
このケースは内服していません。完璧に治癒させるのは困難です。
施術の内容:ダイオードレーザーによりほくろを変性・壊死させる。
リスク:浮腫、発赤、凹み、瘢痕等
料金:27,500円
ケース 7
上口唇に多数の小さな色素斑が認められます。これはホクロではなくシミです。
しかし下口唇の左側にあるのはシミではありません。
次の写真で拡大します。
施術の内容:ダイオードレーザーにより変性・壊死させる。
リスク:浮腫、発赤、凹み、瘢痕等
料金:99000円
同じ方の下口唇の色素斑ですが、シミではなくホクロです。
施術の内容:ダイオードレーザーによりほくろを変性・壊死させる。
リスク:浮腫、発赤、凹み、瘢痕等
料金:99000円(唇全体で)
ケース 8
これは口唇(くちびる)のほくろだけです。
施術の内容:ダイオードレーザーによりほくろを変性・壊死させる。
リスク:浮腫、発赤、凹み、瘢痕等
料金:22,000円
ケース 9
こういうケースもありました。
もちろん施術前の承諾書にも、本人にも瘢痕が生じ得ると話してあります。
唇に白い肥厚性瘢痕が生じてしまいましたが、本人は満足していました。
肥厚性瘢痕は手術の他、どんなレーザーでも、どんな医師が施術しても起こり得ます。
レーザーは魔法の施術ではありません。
その事をしっかり写真や記載しているクリニックが、非常に少ないのが残念です。
施術の内容:ダイオードレーザーによりほくろを変性・壊死させる。
リスク:浮腫、発赤、凹み、瘢痕等
料金:44,000円(2カ所)
このように隆起のない白色瘢痕になるケースもあります。
唇も例外ではありません。
施術の内容:ダイオードレーザーによりほくろを変性・壊死させる。
リスク:浮腫、発赤、凹み、瘢痕等
料金:55000円(2個で)
ほくろ除去の更なる極みを目指して努力したいと思います。
ケース 10
これも典型例です。若干の凹みがありますが、ほぼキレイに仕上がっています。
このケースのように表面に毛が発生している場合、ホクロは除去できても毛が残る事があります。その場合には脱毛レーザーで対処します。
施術の内容:ダイオードレーザーによりほくろを変性・壊死させる。
リスク:浮腫、発赤、凹み、瘢痕等
料金:44000円
ケース 11
ほくろは完全に取れましたが、一部白色瘢痕になってしまいました。
これは仕方がありません。
施術後半年なので、更に時間が経過すれば周囲と馴染んでくると思います。
施術の内容:ダイオードレーザーによりほくろを変性・壊死させる。
リスク:浮腫、発赤、凹み、瘢痕等
料金:44000円
ケース 12
ホクロをとってくださいと来院されました。
間違いやすいのですが、これは静脈系の血管腫なのです。
ダーモスコピーで見ると一発で診断できます。
治療はダイオードレーザーではなく、ヤグレーザーを使用します。
施術の内容:ヤグレーザーによりほくろを変性・壊死させる。
リスク:浮腫、発赤、凹み、瘢痕等
料金:22000円
ついでにこのケースもほくろではなく静脈系の血管腫です。
これから皮膚科医の聴診器であるダーモスコピーで、唇の色素病変を検討しました。
ケース 13
上口唇のほくろ?やシミが多発していて、一番大きいものを除去したいと来院。
境界明瞭な黒褐色の色素病変を認めます。
拡大鏡であるダーモスコピーで観察すると、中心部が濃く、まわりが淡い色調になっています。
更にに拡大します。中心部は小さいものから大きいものまで、メラニンのかたまりが集合しています。その周囲はハチの巣のようなネットワーク構造が見られます。これは色素性母斑の所見でホクロです。
ケース 14
上口唇に円形、黒褐色のプックリした病変があります。ほくろのように感じられます。
これをダーモスコピーで見ると、ブドウ色の多数のかたまりが淡白い膜でしきられています。これは血管腫で、メラニン系のホクロでこの色調はありません。ヤグレーザーで治療します。
ケース 15
下口唇に比較的大きな赤褐色の病変があります。
やはりプックリしていて、色調から血管腫を疑います。
ダーモスコピーの所見です。半透明で丸い大きな膨らみの中に、大小のメラニンが散らばっています。コンマ状の血管も観察できます。
これはほくろです。ダーモスコピーを使用しないと血管腫かホクロかわかりません。
治療前後の写真です。きっちりダイオードレーザーで除去できました。
ダイオードレーザーによるほくろ除去
価格:33000円
リスク:浮腫、発赤、くぼみ、色素脱出、肥厚性瘢痕等
ケース 16
下口唇の黒褐色のほくろで、ダイオードレーザーで除去、良い仕上がりになっています。膨らみがある唇のシミは存在しません。
ダイオードレーザーによるほくろ除去
価格:22000円
リスク:浮腫、発赤、くぼみ、色素脱出、肥厚性瘢痕等
ケース 17
下更口唇の中央に淡褐色の色素病変が見られます。
ダーモスコピーで拡大してみます。左側は褐色で、右側は淡い赤褐色のベタッとした単調な色素パターンがあり、悪性病変に見られる青色、灰色、白色病変が認められません。以上からほくろではなく口唇メラノーシ、つまり口唇のシミです。
以上から、口唇(くちびる)の色素病変の診断には、ダーモスコピーによる検査が必要不可欠である事がおわかりになると思います。
(ダーモスコピーは皮膚科専門医のスペシャル テクニックです。)
ケース 18
画像が鮮明でなくすいません。カメラで撮影したものがなく、iPadの画像を拡大しました。 皮膚から口唇にかかったほくろ除去は難しく、瘢痕は必発です。美容外科を受診しても手術しかない、他院紹介等、レーザー施術する
クリニックは少ないようです。
このケースは多少瘢痕が縦にありますが、キューピッドラインもシャープで、見栄えも悪くありません。
施術の内容:ダイオードレーザーにより変性・壊死させる。
価格:49500円
リスク:浮腫、発赤、凹み、瘢痕等
ケース 19 NEW
口元のほくろですが、アレックスレーザーで対応しました。 若干の跡はありますが、通常通り除去できました。
施術の内容:アレックスレーザーにより変性・壊死させる。
価格:38500円
リスク:浮腫、発赤、凹み、瘢痕等
口唇のほくろ除去は皮膚科専門医である東京足立区の大山皮膚科におまかください